円が最強通貨に
2007年から深刻さを増していた米国のサブプライム問題が世界金融危機につながり、2008年9月にはアメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻するにいたり、為替市場の環境も大きく転換しました。
具体的には、アメリカ、ユーロ圏、イギリスなどの中央銀行は急激な利下げを行ったことにより、それまであった円と他通貨との金利差は急速に縮小し、金利狙いの外貨投資の妙味は薄れることとなりました。
また、世界的な金融・経済混乱により、それまでの投資を手仕舞いする動きが広がったことが、為替の大きな変動を引き起こしました。
すなわち、2008年以降の動きとして、円キャリートレード※と呼ばれる取引を投資家が一斉に手仕舞いしたことから、円が最強通貨になる(円高になる)という展開になったのです。
※円を売って高い金利の通貨を買うという投資手法です。
今後の為替市場は?
アメリカなどでの金融機関への資本注入や財政出動によって、パニック的な状況は何とか沈静化されたようですが、今後の焦点は、世界経済がどのように立ち直るかということに移るものと思われます。
金利差を狙い外貨を買っておけさえすればよいという時代は終わりましたが、日本の株式市場の回復が遅れていることから、再び外貨投資に注目が集まる可能性は高いといえそうです。 |