実需原則の撤廃について
かつて日本国内で行うことのできる外国為替取引は、海外旅行や貿易取引、資本取引など実需(実際の需要)を伴うものに限定されていました。
しかしながら、1984年に実需原則が撤廃されたことから、為替レートの変動を利用した実需を伴わない投機・投資目的の外国為替取引が活発になっています。
ニュースが投機筋や投資家を動かす
外国為替市場全体で見ますと、実需を伴わない投機・投資目的の取引というのは、実に90%以上を占めているといわれています。
つまり、為替相場を動かしているのは、投機筋や投資家の動向であるといえるのです。そして、投機筋や投資家を動かすのが「ニュース」なのです。
貿易取引・資本取引のほかにも、各国の政治や経済政策、経済指標、あるいはそれらに関する予想や要人発言などがニュースで報じられると、外国為替市場はその都度反応して為替レートも変動します。
同じニュースでも時代や時期により変わる
たとえ同じニュースであっても、市場参加者のその捉え方は、時代や時期によっても変わります。
例えば、1990年代前半には、アメリカの貿易赤字と日本の貿易黒字が続く限り、ドル安/円高が続くといわれていました。
なので、この頃は、両国の貿易統計が発表された直後の数分間にドル円相場が大きく変動するということがよくありました。
しかしながら、現在では多少その名残はあるかもしれませんが、かつてほどの熱狂ぶりは見られません。 |