金(ゴールド)にまつわる新商法とは?
2009年2月、アメリカのニューヨーク先物市場で取引されている純金の価格が1トロイオンス=1000ドルを超えましたが、それ以降、世界の各地で金(ゴールド)にまつわる新商法が出現しています。
例えば、アメリカの代表的な経済誌「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、2009年12月19日付の紙面で「ゴールド・パーティの大流行」を報じています。
ゴールド・パーティとは?
ちなみに「ゴールド・パーティ」というのは、「金」の買い付け業者がホームパーティの主催者となる女性を募り、主催者の自宅に友人や知人たちを招いて、参加者の持ち物であるネックレスや指輪などの金製品をその場で買い取る仕組みのことです。
このパーティの参加者たちは、宝石箱に眠っていた金製品を持ち寄り、お茶やお酒を飲みながら世間話を楽しみます。
一方、業者は、このパーティ会場に「金」の純度を測る小型の測定機器やルーペ、電卓、買取のための現金が詰められたトランクや小切手帳などを持ち込んでいますから、その間に一人一人、別のテーブルにいる業者に呼ばれて「商談」をするという流れになります。
つまり、価格が折り合えば商談成立となり、その場で小切手や現金を受け取るのです。
「金」の買い付け業者の儲けは?
アメリカの「金」の買い付け業者というのは、大手企業から小規模業者までさまざまで、その数は数千社に上るといわれています。
例えば、ゴールド・パーティ・シカゴという業者は、シカゴを中心としてゴールド・パーティを企画している業者ですが、自社のウェブサイトで「すぐに現金を手に入れられる」とうたってゴールド・パーティに勧誘しています。
ちなみに、買い取り価格は、ニューヨーク市場の金相場の60〜80%ほどで、主催者にはパーティで買い取った総額の10%が手数料として支払われ、さらにホームパーティの主催者を紹介すると紹介料ももらえる仕組みになっています。
一方、業者は1回のゴールド・パーティで多いときには数千ドル分の金製品を手に入れるそうですが、それを精錬業者に転売して差益を得ています。
精錬業者はどこにいるの?
例えば、ソー・アキュレート・グループという業者は、ニューヨーク・マンハッタンのオフィスビルの中に精錬する場所を構えています。
小型のるつぼで指輪やネックレスを溶かして「金」だけを取り出し、「金」の延べ棒に加工していくわけですが、これはまさに都心の真ん中で「金」が生産されているということです。
|