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通貨安政策が金需要の原因に?

米国以外の通貨安政策は?

前述した米国の通貨安政策に歩調を合わせるように、各国政府も異例の金融緩和策と財政出動を行いました。

具体的な金額は、2009年4月にイギリスのロンドンで開かれたG20(主要20カ国・地域)の第2回緊急首脳会議(金融サミット)の声明によると、2010年末までに日本円に換算して総額およそ500兆円(約5兆ドル)を目標にするということでした。

その内訳は、次のような過去に例のない規模となっています。

■米国 ⇒ 161兆円
■EU(欧州連合) ⇒ 111兆円
■日本 ⇒ 75兆円

通貨安政策の弊害とは?

通貨、すなわち紙幣を過去に例のないほど流通させたりすれば、米ドルやユーロ、日本円という通貨の価値を減らし、通貨に対する不信感を生むことになりかねません。

もともと紙幣というのは、国の信頼を背景に流通しているただの印刷物にすぎませんから、その紙幣の価値が信じられなくなるような事態を招く恐れがあるのであれば、同様に紙に印刷された株式や債券も信用できなくなってしまうことになりかねないのです。

ですから、世界でもっとも流通している基軸通貨であるドルの「将来価値への懸念」は世界の政府や国民を慌てさせたのです。

こうした背景があって、欧米の人たちも、どの国の信用にも基づかずに、国境を越えて持ち運びができ、どこでも通用する資産としてそれ自体に価値のある金(ゴールド)を買い始めたのです。

金価格の1000ドル超えの原動力はまさにここにあるといっても過言ではありません。


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