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アメリカ国債と金の関係は?

アメリカ国債の信用力は?

ドルが基軸通貨であるのと同様に、アメリカ国債というのは、これまで50年以上にわたり、世界で最も安全な資産とされてきました。なので、世界各国の政府はもちろんのこと、多くの企業や個人も購入してきたのです。

例えば、中国は、いまや日本を抜いて外貨準備で首位に立ちましたが、2兆3991億ドル(約239兆円)の外貨準備のうち、およそその7割をアメリカ国債などドル建て資産で保有しています(2009年12月末時点)。

もしもアメリカ国債の格付けが引き下げられたら?

現在、アメリカ国債の格付けは最上級の「AAA(トリプルA)」ですが、もしこれが引き下げられるようなことがあれば、世界各国でアメリカ国債が売られることになり、その引き換えに安全資産として金(ゴールド)が買われることになるかもしれません。

そうなると、金価格の上昇速度は速まると考えられます。

実際、2010年2月2日、アメリカの代表的な格付け会社であるムーディーズ・インベスターズ・サービスが、現状のままアメリカの赤字が拡大すると、「AAA」格の見直しもあり得ると警告していますので、上記のような仮定が現実のものとなる日も近いのかもしれません。

アメリカ国債の格付けが下がるかもしれない理由は?

アメリカ国債の「AAA」格の見直しもあり得るというのは、バラク・オバマ大統領が2月1日に発表した2011会計年度(2010年10月〜2011年9月)の予算教書の中にあるようです。

具体的には、アメリカの歳出規模は3兆8340億ドル(約383兆円)となる一方で、2010年度の財政赤字は過去最大の1兆5600億ドル(約156兆円)、対GDP(国内総生産)比10.6%に膨らむとしたからです。

日本の財政赤字の大きさは言うまでもありませが、その日本でさえ2010年度予算の赤字はGDP比8.7%となっていますから、かなりのものということがわかります。

オバマ政権は財政赤字を2013年度までに対GDP比4.2%の7270億ドル(約72兆7000億円)まで圧縮するとしていますが、たとえ年間の財政赤字が縮小したとしても、連邦政府の負債は拡大し続けることは避けられそうにありません。

予算教書によれば、2020年まで連邦債務が8兆5000億ドル(約850兆円)増える見通しということですから、GDPに対する債務比率は77%にもなり、現在の53%よりもさらに上昇することが予想されます。つまり、債務の金利支払いに充てられる政府支出が確実に増えるということです。


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