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資金ジャブジャブ供給と出口戦略

なぜ資金をジャブジャブ供給する政策をとるの?

世界的な金融危機に対して、各国政府や中央銀行が大幅な利下げや資金供給を行っていますが、これは、国家の経済を人の体に例えるとわかりやすいです。

つまり、国家の経済が人体とすれば、お金というのは「血流」になりますから、リーマン・ブラザーズの破綻という強烈なショックにより体内から血流が流れ出てしまったのであれば、各国政府や中央銀行は、金融機関を通じて緊急輸血をし、体の隅々まで、新鮮な血液である新たなお金を行き渡らせる必要があったということです。

出口戦略とは?

出口戦略とは、上記のような資金ジャブジャブ供給をしてから1年間、体の容体を見守ってきて、そろそろ退院を意識するようになったということであり、具体的には、2009年末から2010年初めにかけて、アメリカ政府高官や欧州の首脳らが言い始めたものです。

つまり、各国政府や中央銀行が実施した大幅な利下げや賃金供給などの緊急策を解除して、元も状態に戻そうということです。

ただ、出口戦略が言われるようになってきたということは、アメリカ経済が回復したとまでは言い過ぎとしても、その方向が見えてきたということには違いありません。

もしそうであれば、事実上のゼロ金利政策を解除する、つまりFFレートの誘導目標0〜0.25%を引き上げることにつながっていくと思われます。

アメリカ経済が回復すると金(ゴールド)は売られやすくなるの?

今後、アメリカ経済が回復に向かっていくと、ドルの金利が上昇し、ドルが買われるということが考えられますので、そうなると金利を生まない資産である金(ゴールド)を保有することに疑問符がつけられ、「金」が売られやすくなります。

とはいえ、アメリカ経済が金利を上げられるほど回復を見せているのかというと、現実的には出口戦略を語ることでさえ早いのではないかといわれています。そうした立場から金相場を見ていきますと、シナリオはまた変わると思われます。

2010年、アメリカ経済の復活は遠いと判断される限りは、金価格は2009年12月3日にニューヨーク商品取引所の金先物相場でつけた1トロイオンス=1227.5ドルを超えてくるのでしょう。そして、この高値を更新してもなお勢いが衰えなければ、1300ドル台も見えてきます。

【追記】
その後、2010年12月5日には1400ドル台を突破し、史上最高値1430ドルをつけました。


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