アメリカの財務体質と国債の関係は?
アメリカの財務体質が、現在よりもさらに悪化するような事態になれば、当然、アメリカ国債に対する信頼も揺らぐことになります。
なので、こうした不安を払拭するために、2月7日には、ティモシー・ガイトナー財務長官がわざわざテレビインタビューを通じて「アメリカ国債がトリプルAの最高格付けを失う恐れはない」と断言しました。
その根拠として次のことを挙げ、アメリカが信頼されていることを強調したのです。
■2009年第4四半期の実質GDPの伸び率が年6%近くに達しており、景気回復の兆しが見えること
■2010年1月の雇用統計のうち失業率が大きく改善したこと…など
■2008年の金融危機により投資家が不安に陥った際、資金はアメリカ国債とドルに逃避したこと...など
アメリカの出口戦略とは?
2009年1月、アメリカのオバマ大統領は、景気対策のために減税や公共投資を盛り込んだ、総額7872億ドルという史上最大規模のアメリカ再生・再投資法を成立させました。
また、金融安定化策としては、財務省に与えられた7000億ドル規模の公的資金を活用する不良資産救済プログラムなどをスタートさせました。
さらに、FRBが金融政策を決定するFOMCで、今後半年間で中長期の国債を最大3000億ドル(約30兆円)を買い取ることを決め、0〜0.25%に設定しているFFレートの誘導目標を据え置くことも決めました。
つまり、これらの政策をわかりやすくいうと、最大3000億ドルのお札を新たに刷って市場にお金をジャブジャブ供給させながら、事実上のゼロ金利政策を維持するということです。
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