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1980年代の金価格と世界経済(3)

実質的な金価格は2800ドル?

ニューヨーク先物市場で875ドルを付けた1980年の金価格の暴騰というのは、インフレや政治的緊張という特殊な状況が重なったことで起きたものといえます。

もちろん、こうした状況というのはそうあることではありませので、バブルが弾けた後は1年半でおよそ3分の1の水準である295ドルまで急落してしまいました。

そして、金価格が2008年1月に再び最高値を更新するまでには、実に28年もの歳月がかかることになるのです。

ちなみに、28年間の物価上昇を考慮した実質的な金価格というのは、2300ドル程度になるといわれていますので、現在の1000ドル台という金価格は、理論的にはまだまだ安い水準にあるといえるのかもしれません。

レーガン大統領が強いアメリカを志向

1981年1月に登場したロナルド・レーガン大統領は、強いアメリカを目指し、1期目の政権で「レーガノミックス」と呼ばれる大幅減税と積極的な財政政策を打ち出し、これがアメリカに好景気をもたらしました。

レーガン大統領は、ドルについても強いドル、すなわちドル高を志向しました。

しかしながら、ドル高になったことで製品価格が上昇して輸出が減少し、反対にドル高により安くなった海外製品があふれるようになってしまいます。

また、軍事的にも強いアメリカを示すために強硬な姿勢をとるようになり、世界各地の紛争に関わるようになっていきました。

さらに、軍事兵器の開発にも力を入れるようになり、「スターウォーズ計画」を推進しました。

ちなみに、この「スターウォーズ計画」というのは、ミサイル衛星やレーザー衛星などを宇宙空間に配備し、地上の迎撃システムと連携させて敵国のミサイルを迎撃するというものです。


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