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1980年代の金価格と世界経済(4)

アメリカの国内インフレ

アメリカ国内においては、インフレが進行していました。

当時のFRB(連邦準備理事会)のポール・ボルガー議長は、「インフレ・ファイター」の異名を持つほど、インフレ退治に力を入れました。

具体的には、当時は政策金利であった公定歩合※を一気に14%まで引き上げたのです。

そして、この荒療治的な金融引き締め策が功を奏した結果、インフレは沈静化し、さらに、高金利政策をとったことによって投資資金がドルに集まるようになり、ドル高が続くようになったのです。

金価格の暴落

とはいえ、これは、金市場にとってはあまり歓迎されることではありません。

というのは、インフレ率が高いときには、公定歩合を14%まで引き上げることによって名目金利が高くなったとしても、物価も上昇していますので、インフレ率との差し引きで実質金利は低くなります。

そうすると、金利が付かない金(ゴールド)であっても、インフレによる通貨の価値の下落に備えて買われることになります。

しかしながら、金融引き締めによってインフレが沈静化してきますと、実質金利も高くなり、金(ゴールド)を保有する意味が薄れてしまいます。

当時の金市場というのは、市場規模が小さかったこともあって、上げ相場も下げ相場も一方通行的な値動きとなり、金価格は暴落してしまったのです。

※現在の政策金利は、FFレート=フェデラル・ファンド・レートです。


1970年以前の金価格と世界経済(1)
1971〜79年の金価格と世界経済(1)
1971〜79年の金価格と世界経済(3)
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