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1990〜1995年の金価格と世界経済(2)

湾岸戦争の勃発

1990年8月、イラクによるクウェート侵攻が起こりました。

これは、当時のイラクのサダム・フセイン大統領がクウェートを自国領土にすることを主張したことに対して、国際社会が国連での非難決議を採択し、1991年1月にアメリカを主力とする多国籍軍を派兵することとなったもので、これが湾岸戦争の勃発です。

この様子は、生放送でCNN(アメリカの報道機関)が世界中に伝わりましたが、このとき、IT技術の発達によって、視聴者はテレビを通じてライブで戦争を見るという体験をしたのです。

湾岸戦争時の金価格は?

湾岸戦争にアメリカが直接派兵を決定したことが材料となり、金価格は一時的に上昇しました。

当初、金市場関係者の間では「有事の金」としての働きが期待されていましたが、実際に戦争に突入すると金価格は下落していきました。

戦争中にもかかわらず金価格が下落したことで、「有事の金」が機能しなくなったと言われるようになりましたが、これは、世界の政治構造が変わり、湾岸戦争も単なる地域戦争にすぎないと受け止められたことによるようです。

つまり、ロシアにしても市場経済に組み込まれてしまった以上、湾岸戦争に参戦しても得るものはないですし、イラクのクウェート侵攻とそれに続く湾岸戦争にしても、第3次世界大戦に発展することはないと市場が読んだことから金(ゴールド)が買われなかったといえそうです。

なお、金(ゴールド)は有事に即反応するのではなく、有事により波及するであろう「世界的な混乱の度合い」に応じて反応するものであるということを頭に入れておきたいです。


1985〜1991年の金価格と世界経済(1)
1985〜1991年の金価格と世界経済(3)
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