FX投資早わかり



1995〜2000年の金価格と世界経済(3)

「有事の金」が機能しない?

湾岸戦争でも欧州の通貨危機でも金価格が反応しなかったことから、投資家の間では「有事の金」ではなく、有事にはドルを買うべきだという心理が働くようになりました。

ちなみに、この頃から「有事のドル」という表現が目立ち始め、投資家の関心は金(ゴールド)から離れていくようになりました。

メキシコ危機とは?

1994年12月、貿易赤字の拡大により過大評価されていたメキシコの通貨であるペソが暴落する「メキシコ危機」が起こりました。

これがアメリカの金融機関まで波及してドルの信用が揺らぐのではないかと想定されましたが、当時のロバート・ルービン財務長官が、IMFなどと連携して巨額の緊急融資を行ったことから、危機はメキシコ国内の問題にとどまりました。

そして、このメキシコ通貨危機を乗り切ったルービン財務長官は、世界に向けて「強いドルはアメリカの国益にかなう」と宣言したのです。

ちなみに、このメッセージでは、ドルを持っていれば得をするけれど、他国通貨を持っていても損をするだけであり、アメリカ企業の株や債券を買えば儲かる、つまり、アメリカに投資すれば儲かるということを言っているのです。


1985〜1991年の金価格と世界経済(1)
1985〜1991年の金価格と世界経済(3)
1989年の金価格と世界経済(2)
1990〜1995年の金価格と世界経済(2)
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