FX投資早わかり



金価格高騰の背景にある米国の長期金利上昇とは?

FRBの出口戦略とは?

2009年3月から、FRBは銀行など金融機関が保有している国債やモーゲージ関連債券、すなわち住宅ローンを担保にした証券類の買い取りをしています。

わかりやすく言いますと、これは銀行が保有している売るに売れない債券を、おカネに換えることによって、市場に血液を流そうとしていることにほかなりません。

しかも、FRBが刷るお金は基軸通貨である米ドルですから、いくら刷っても本物のおカネであることには変わりありません。

ちなみに、そのようにして刷ったおカネはすでに1兆7000億ドル(170兆円)あるといわれています。

2010年3月には、この買い取りプログラムが終了するとされていますが、これに関してFRBのベンジャミン・バーナンキ議長は「出口戦略が必要だ」とさかんに述べています。

しかしながら、この買い取りプログラムを終了することが本当に出口戦略なのかについては疑問の余地があります。

というのは、2010年2月19日にFRBは公定歩合を引き上げていますが、それと同時にFFレートのゼロ金利政策は維持されるとし、「経済見通しに変化はない」と言及しているからです。

確かに買い取りプログラムの終了は出口戦略の入り口なのかもしれませんが、本当の出口戦略は、ばら撒いたお金を回収し金利を引き下げることにほかなりません。

FRBはばら撒いたお金の回収にかかるのかといえば、現状のアメリカ経済ではとても考えられませんし、もしやるとすると、相当のリスクを覚悟しなくてはならないといえそうです。

もっとも、中央銀行がそのような賭けに出ることはほぼないといえるのではないでしょうか。

アメリカの長期金利は上昇するの?

ということで、前述したようなFRBによるお金の回収の心配はとりあえずは置いておくとしても、長期金利が上昇するという可能性には注意が必要です。

つまり、出口戦略→金融の引き締め(金利の上昇)という、ただの連想が引き金となり、実際に国債が売られて長期金利が上昇するかもしれないからです。

ちなみに、長期金利が上昇すれば、住宅ローン金利も連動して上昇します。


金価格高騰の背景にあるドル安誘導とは?
金価格高騰の背景にある住宅ローン金利の上昇とは?
金価格高騰の背景にあるFRB議長の口先介入とは?
ユーロの財政懸念は金価格を押し上げる?
金(ゴールド)の取引所・価格の基準は?

金価格高騰の背景にある米国の長期金利上昇とは?
金価格高騰の背景にある地方銀行の破綻とは?
金価格高騰とギリシャのソブリン・リスク
金(ゴールド)の単位・比重は?
アメリカの住宅バブルとサブプライム問題


Copyright (C) 2011 FX投資早わかりV「金(ゴールド)編」 All Rights Reserved