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金価格高騰の背景にある地方銀行の破綻とは?

地方銀行の不良債権問題とは?

アメリカの大手銀行の信用不安はとりあえず収まったことから、日本ではほとんど報道されなくなっていますが、実際には現在、地方銀行を中心とした不良債権問題が深刻化しています。

ちなみに、2009年は140行が潰れ、2010年は2月6日現在で16行も潰れています。

また、アメリカでは実際にペイオフにより預金が保険によって払い戻されており、FDIC(連邦預金保険公社)※では、2010年は2009年と同じ規模で金融破綻が起こるという前提の下で職員を増強しています。

ということは、2010年も140行近くの銀行が潰れる懸念があるということになります。

ただ、FDICの保険金の原資は2009年9月末で枯渇しており、現在は各金融機関に預金保険料の3年分の前払いを要請しているという状況です。

※日本の預金保険機構に相当するものです。

ゼロ金利は景気回復に役立つの?

ゼロ金利は景気刺激にも役立ちますが、直接的には銀行を潤すことになります。

というのは、格付けの高い銀行でしたら0%に近い水準、格付けの低い銀行であっても0.25〜0.5%程度というほとんどタダみたいな金利でおカネを仕入れて、それを高い金利のローンで貸し出すわけですから、本来であれば何をやっても儲かるからです。

日本の銀行が金融危機に陥った際にも、ゼロ金利のおかげで立ち直ることができましたが、アメリカの銀行も同じです。

ちなみに、、タダ同然で調達したおカネを企業や個人に貸さずに国債を買い、調達金利と国債金利の差益を懐に入れているところなども非常によく似ています。

FRBとしては、企業や個人に貸し出して欲しいという期待を込めた金融政策だったわけですが、銀行は不良資産を増やしたくないので、貸し渋りをして国債を買ってしまうという結果に陥ってしまったのです。

とはいえ、銀行はこれで儲かってしまうのですから、もともと貸し出しをするというリスクを取るわけがなかったともいえそうです。

では、FRBは直ちに金利を上げるのかといえば、利上げすれば確実に景気が冷え込んでしまいます。

アメリカ経済が何とか踏ん張っているのは、政府の支援とゼロ金利のおかげですから、ここでFRBが勝手に判断して金利を上げて景気を冷やすようなことをしてしまうと、FRBの責任が問われることになるでしょう。

2008年の原油急騰時のようなインフレ懸念が生じているときには、FRBが勝手に判断して利上げするのも構わないのでしょうが、インフレの懸念がない今の状況で利上げするのは、口実も意味もないと思われます。


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