欧州系の機関投資家が金(ゴールド)を買っている?
もともとギリシャの経済規模というのは、ユーロ圏全体のわずか2.5%ほどしかありませんので、救済自体はそれほど難しいことではありません。
とはいえ、それをやってしまうと、単一通貨であるユーロの導入基準がなし崩しになり、通貨としての存立基盤が揺らいでしまう可能性がありますので、EU(欧州連合)としては、あくまでもギリシャに自助努力を求めるというスタンスを取らざるを得ないのです。
ただし、このような財政懸念、つまりソブリン・リスクの高まりが経済規模の大きなスペインなどへも波及していくとなると、その混乱はギリシャの比ではなくなってしまいますので注意が必要になってきます。
ちなみに、こうした状況を察知したのか、2010年2月後半以降は、欧州系の機関投資家がユーロ安・ドル高の中で金(ゴールド)を積極的に買う動きも伝えられました。
ユーロの財政懸念は金価格を押し上げる?
ソブリン・リスクの高まりについては、南欧だけの問題にとどまりません。
金融危機後の世界的景気悪化の中で、各国政府は軒並み財政赤字を膨らませており、通貨の増発も共通しているからです。
無国籍通貨の側面を持つ金(ゴールド)に関心が集まる環境といえば、まさにそういった状況ともいえそうです。
つまり、ユーロ圏における財政に対する懸念は、最終的には金市場の押し上げ材料になるのではないかと思われます。
PIIGSとは?
「PIIGS」というのは、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの頭文字を取ったもので、いずれも財政赤字が経済規模に比べて大きい国々のことを指してこのようにいっています。
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