アジア通貨危機
アメリカで吸収しきれなかった短期の余剰資金は、タイのようなアジアを中心とする発展途上国※に流れ込みました。
しかしながら、短期マネーというのは次々に返済期限が訪れますから、資金計画に狂いが生じたまま返済期限が訪れて、返済も借り換えもできない場合には破綻に追い込まれることになります。
この状況がまさにアジアで発生したのです。
そうなりますと、海外の資金は一気に逃げ出し、その国の通貨が大暴落して通貨危機が起こるわけですが、1997年7月、タイの通貨であるバーツでこの大暴落が起きました。
そして、これは東アジアに波及し、タイ、インドネシア、韓国に深刻な経済危機を与え、最終的にはIMFの管理下に入ることとなったのです。
ロシアの財政危機
また、ロシアも輸出の大部分を天然資源に頼っていましたから、世界的なデフレの影響で財政が逼迫し、アジア通貨危機の影響をまともに被ってしまい、デフォルト(債務不履行)に陥りました。
するとルーブルが大暴落して、ロシア財政危機が起こったのです。
※当時はまだ新興国とは呼ばれていませんでした。 |