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1995〜2000年の金価格と世界経済(6)

LTCMの破綻

ロシアのデフォルト(債務不履行)は、ヘッジファンドのLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)※を行き詰らせました。

LTCMには、欧米の金融機関が巨額の資金を託していましたが、それとともに、LTCMもどきのミラーファンドも数多く組成されていました。

なので、LTCMの破綻は、金融機関に深刻な影響を与えることとなりました。

※LTCMは、世界の頭脳を集めたまさに金融界のドリームチームが運用していたヘッジファンドです。

LTCM破綻への対応策は?

当時のニューヨーク連邦準備銀行のウィリアム・マクドナー総裁は、LTCMに資金提供していた主要銀行に融資を実行させて、破綻ではなく解体の道を歩ませることにしましたが、それと同時に、FRBのグリーンスパン議長は、FFレート誘導目標を引き下げて金融不安を沈静化させました。

こうした不意の出来事はありましたが、外貨準備として大量の金(ゴールド)を保有する各国の中央銀行の間では、金(ゴールド)よりも金利を生む株式などの有価証券に投資すべきであるという認識が高まっていたようです。

事実、ユーロ導入への参加予定国の中央銀行が、「債務残高をGDP比60%以下に抑える※」という条件を満たすため、保有する金(ゴールド)の売却を始めました。

さらに、ユーロ参加国以外の国も売却し始めたことから、中央銀行が金(ゴールド)を見放したというサインと受け止められました。

※ユーロに参加するためにはクリアしなければならない経済財政基準の1つです。


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