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QE2、セイニアーリッジ政策とは?

QE2とは何ですか?

昨年11月3日のFOMC(連邦公開市場委員会)では、FRBは追加金融緩和策を決め、今後8ヶ月間、すなわち今年6月までに6000億ドルの米国債を買い入れることを決定しています。

これが量的緩和第二弾という意味で、QE2(Quantitative Easing 2)と呼ばれているものです。

昨年8月のFOMCでは、以前の量的緩和(QE1)で購入したエージェンシー債やMBS(住宅ローン担保証券)の償還分を米国債によって再投資することを決定しています。

なので、合計すると今年の6月末までに8500億ドルから9000億ドルの米国債を購入する計画であるということになります。

FRBのバーナンキ議長は、この政策は量に訴えるのではなく長期金利に直接働きかけてその低下を目指すものだと述べているようですが、実際のところはドルを刷りまくる、つまり資金ジャブジャブ政策を続けるということにほかなりません。

セイニアーリッジ政策とは何ですか?

セイニアーリッジ政策というのは、日本語に訳しますと「通貨発行特権」となります。つまり、日銀に国債を買い取らせて通貨をばら撒こうということです。

明治政府が不況脱出のために、一度だけこの政策を行なったことがあるのですが、その時はほぼ期待通りの成果を上げました。とはいえ、当然、お金をばらまくのですから、インフレの懸念はあります。

しかしながら、現在の日本のようにデフレ・ギャップが大きい経済状況、つまり、国内の潜在的な生産能力に余剰があり、需要の不足からモノや設備が余っている状況では、多少の貨幣の増加は深刻なインフレには結び付かないという試算もあります。

現在の日本は、通常の歳出削減策や増税では、焼け石に水でしかないほど、国の借金がふくれ上がってしまっています。

こうした中、経済学者の中には、打ち出の小槌と称する人もいるようです。確かに、ある一定の条件での通貨発行は認めるものの、悪の温床になりかねないという懸念はあります。

ちなみに、お金がいくらでも刷れるということは、すなわち、やろうと思えば、いくらでも私腹を肥やすことができますので、政治家や官僚たちには、高い道徳心が求められるということはいうまでもありません。


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