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2000年以降の金価格と世界経済(2)

グリーンスパン議長と「コナンドラム(謎)」

バブルの発生は市場経済の宿命ともいわれますが、そうであるからといって、バブル経済の軟着陸に失敗すれば、金融当局者は大きな非難を浴びることになりますから、金融緩和策の時には強気であっても、金融引き締め策では弱気になることが多いようです。

グリーンスパン議長も、金融引き締めを目的とした金利の引き上げは、2004年8月から2006年6月まで2年かけて17回にもわたり小刻みに行っています。

しかしながら、長期金利が一向に上昇せず、金利引き締め効果が表れませんでした。この現象について、グリーンスパン議長は「コナンドラム(謎)」と呼んでいました。

これは、当時のグローバル化が進む市場の中で、新興国や産油国が貿易相手として大きな存在となっていたことがあったようです。

つまり、貿易代金の受け取り、支払いという「お金のキャッチボール」が繰り返される中で、国際的な信用創造※が進み、いくらアメリカといえども歯が立たなかったということなのでしょう。

※お金が巨大化して膨張していくイメージです。

金価格はインフレに連動する

世界的な金融バブルの発生によって原油価格は上昇を続け、2倍、3倍と値上がりしていきましたが、金価格のほうは市場が予想したほどには上昇しませんでした。

これは、金価格が原油価格にストレートに連動していないことが1つの要因です。わかりやすくいうと、金価格は原油価格の上昇によりつくり出されるインフレに連動するのです。

つまり、省エネ対策が進んだ現在では、原油の消費量を抑えることができますので、原油価格が上昇しても、消費量を減らすことで対応すれば、物価に与える影響を抑えることができます。

よって、インフレは生じにくく、金価格も上昇しないのです。


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